宇都宮2025

　◆①記号SKは、現地調査の生ＤＡＴＡ＝スケッチを示す
　◆②『　』内の城は、調査したが、遺構が見あたらない城を示す。
　この場合、縄張り図の代わりに、地籍図や写真等を掲載している。
　(注）遺構が無いからと言って、そこが城として否定しているわけでない。
　◆③図は断りのない場合、上面が北を示す。
　　パソコンの特性上、縄張りをすべて画面上に掲載できていない場合がある。

㊳CS立体図で見つけた場所　基盤地図情報で見つけた新城！
万能と思われる栃木県CS立体図。しかし、それには穴がある。実は左図の黄色い部分は、ＣＳ立体図に反映されていないのだ。もっとも、栃木県のCS立体図は、森林資源を調査する目的で作成されたようだ。よって、平野部の多い所は省かれたと考えられる。特に、宇都宮市、下野市、上三川町、益子町、市貝町、茂木町、高根沢町さくら市、壬生町、足利町の平野部分には穴が多い。 ◆左図　国土地理院地形図、CS立体図栃木県森林資源データ2023
	管理人は城のお仲間に、国土地理院の基盤地図情報というサイトを教えてもらった。ここで国土地理院で計測した数値標高モデルを閲覧できる。特に、１ｍメッシュで計測されたデーターは、城探しに役に立ちそうだ。（※）管理人は、これを使って、上記の栃木県のＣＳ立体図の穴を探ってみた。まず手始めに行ったのが宇都宮市である。 ◆図は国土地理院　基盤情報ダウンロードサービスの画面（※このソフトはどう見ても発展途上のソフトであり、ハッキリ言って使いづらい。言いたいことがいっぱいある。その後、このデーターは地形図アプリ　スーパー地形　で簡単に見れる事が判明。現在筆者は、それを使っている　2025/０５/０６追記）
	宇都宮市の１ｍメッシュをぼんやり眺めていると、左の画像が目に飛び込んできた。山の上に、なにやら堀の様な陰影が浮かび上がっている。「あれ！？　これ城じゃん！」原理原則にのっとり、さっそく現地へ調査出発だ！ ◆図は国土地理院基盤情報１ｍメッシュデータ
【縄張り図】墓地で壊されているところもあるが、良く残っている。間違いなく「新城発見」である。 ※追記　一応宇都宮市生涯学習センターには新城発見の一報をしたところ、ご一報を頂き、担当の方とお話しさせていただいた。市としても”城であるという認識を持った”というお話であった。今すぐどうこうしろ！という訳ではないが、人知れず遺跡が破壊されないことを願うのみである。 2025/05/08
	場所であるが、宇都宮市新里町である。自性院(じしょういん)の裏山に当たる。(赤字）近隣には雨乞山城、田中城がある。 ◆図は国土地理院図地形図
	入山するとき、自性院さんにお伺いしたが、残念ながらお留守。仕方がないので、その上のお宅へ訪問させていただいた。出て頂いた御主人に、調査の旨を伝えると、快諾して頂けた。しかし　”山の上が城跡であるとは聞いたことが無い”　という。「大昔、自性院さんが山の上にあったような話は聞いたなぁ。私も、こどもの頃良く裏山で遊んだが、確かに土がボコボコしているところがある。」というお話であった。現地地名をお伺いすると、「新里町・乙」だそうだ。よって、当城を”乙城”と命名した。御主人には、ご丁寧に山へ上がる道まで教わった。「イノシシ罠があるから気を付けてねー」と言われ、別れた。
	さて、斜面をあがると、早速切岸が見えるではないか！おっつ！直感が働いた。これは、間違いなく城跡だ。お寺の跡では無い。写真ではわかりつらいと思うが、右手の切岸が斜めに斜面を降りている。（※ちなみに中央太い木の下の白い看板がイノシシ罠）
	城の台地の西側には堀切が確認できた。シッカリした堀切で、深さは３ｍ程。左手の尾根に続く方が、若干高い。しかし、城内は間違いなく写真右手だ。ちなみに左手の尾根をあがってみたが、遺構は無い。というか、太陽光施設で壊滅していた。
	台地の東側にやってきた。こちら側にも明確に空堀がある。現在、堀の深さは３０ｃｍ程であるが、かつてはもっと深い堀だったのだろう。この堀の下段にも、堀だったと考えられる帯状の曲輪が残る。
	再び、台地西にやってきた。南面の切岸は、斜面を斜めに下る。浅いが、かつては空堀であった事を示す凹形状がある。図面を完成させると分かるのだが、この切岸は、主郭南を下り、東面の切岸に接続していたと考えられる。現在はお墓に寸断されていて、旧状が失われている。残念だ。
	【アプローチ】ひと通り城内を周って縄張り図が完成した。調査後わかったのは、登城するには、自性院の墓地からのアプローチが簡単である。図中●。最上段のお墓まで行って、写真のお墓休息所の右手の斜面をあがれば一発で城内に到達できる。車は自性院さんの参拝用の駐車場にとめられる。【お願い】住宅、墓地のすぐ裏手の山である。入山する場合は、お寺や近所の方に一声かけて許可を得てほしい。
考察
再び地形図を見てみよう。近隣に雨乞山城があるが、歴史等は不明の城である。一部では多気山の支城ではないかと囁かれているが、わからない。その雨乞山の山麓に、田中城がある。雨乞山の麓城と言われている。位置的に見ると、今回の乙城も雨乞山の麓城になりうる。ひょっとすると、南麓が田中城、北麓が乙城という役割分担があったのかもしれない。この3城の3角形で、この辺りを統治していたのだろうか？ ◆図は国土地理院地形図。

㊳CS立体図で見つけた場所　基盤地図情報で見つけた新城！
万能と思われる栃木県CS立体図。しかし、それには穴がある。実は左図の黄色い部分は、ＣＳ立体図に反映されていないのだ。もっとも、栃木県のCS立体図は、森林資源を調査する目的で作成されたようだ。よって、平野部の多い所は省かれたと考えられる。特に、宇都宮市、下野市、上三川町、益子町、市貝町、茂木町、高根沢町さくら市、壬生町、足利町の平野部分には穴が多い。 ◆左図　国土地理院地形図、CS立体図栃木県森林資源データ2023
	管理人は城のお仲間に、国土地理院の基盤地図情報というサイトを教えてもらった。ここで国土地理院で計測した数値標高モデルを閲覧できる。特に、１ｍメッシュで計測されたデーターは、城探しに役に立ちそうだ。（※）管理人は、これを使って、上記の栃木県のＣＳ立体図の穴を探ってみた。まず手始めに行ったのが宇都宮市である。 ◆図は国土地理院　基盤情報ダウンロードサービスの画面（※このソフトはどう見ても発展途上のソフトであり、ハッキリ言って使いづらい。言いたいことがいっぱいある。その後、このデーターは地形図アプリ　スーパー地形　で簡単に見れる事が判明。現在筆者は、それを使っている　2025/０５/０６追記）
	宇都宮市の１ｍメッシュをぼんやり眺めていると、左の画像が目に飛び込んできた。山の上に、なにやら堀の様な陰影が浮かび上がっている。「あれ！？　これ城じゃん！」原理原則にのっとり、さっそく現地へ調査出発だ！ ◆図は国土地理院基盤情報１ｍメッシュデータ
【縄張り図】墓地で壊されているところもあるが、良く残っている。間違いなく「新城発見」である。 ※追記　一応宇都宮市生涯学習センターには新城発見の一報をしたところ、ご一報を頂き、担当の方とお話しさせていただいた。市としても”城であるという認識を持った”というお話であった。今すぐどうこうしろ！という訳ではないが、人知れず遺跡が破壊されないことを願うのみである。 2025/05/08
	場所であるが、宇都宮市新里町である。自性院(じしょういん)の裏山に当たる。(赤字）近隣には雨乞山城、田中城がある。 ◆図は国土地理院図地形図
	入山するとき、自性院さんにお伺いしたが、残念ながらお留守。仕方がないので、その上のお宅へ訪問させていただいた。出て頂いた御主人に、調査の旨を伝えると、快諾して頂けた。しかし　”山の上が城跡であるとは聞いたことが無い”　という。「大昔、自性院さんが山の上にあったような話は聞いたなぁ。私も、こどもの頃良く裏山で遊んだが、確かに土がボコボコしているところがある。」というお話であった。現地地名をお伺いすると、「新里町・乙」だそうだ。よって、当城を”乙城”と命名した。御主人には、ご丁寧に山へ上がる道まで教わった。「イノシシ罠があるから気を付けてねー」と言われ、別れた。
	さて、斜面をあがると、早速切岸が見えるではないか！おっつ！直感が働いた。これは、間違いなく城跡だ。お寺の跡では無い。写真ではわかりつらいと思うが、右手の切岸が斜めに斜面を降りている。（※ちなみに中央太い木の下の白い看板がイノシシ罠）
	城の台地の西側には堀切が確認できた。シッカリした堀切で、深さは３ｍ程。左手の尾根に続く方が、若干高い。しかし、城内は間違いなく写真右手だ。ちなみに左手の尾根をあがってみたが、遺構は無い。というか、太陽光施設で壊滅していた。
	台地の東側にやってきた。こちら側にも明確に空堀がある。現在、堀の深さは３０ｃｍ程であるが、かつてはもっと深い堀だったのだろう。この堀の下段にも、堀だったと考えられる帯状の曲輪が残る。
	再び、台地西にやってきた。南面の切岸は、斜面を斜めに下る。浅いが、かつては空堀であった事を示す凹形状がある。図面を完成させると分かるのだが、この切岸は、主郭南を下り、東面の切岸に接続していたと考えられる。現在はお墓に寸断されていて、旧状が失われている。残念だ。
	【アプローチ】ひと通り城内を周って縄張り図が完成した。調査後わかったのは、登城するには、自性院の墓地からのアプローチが簡単である。図中●。最上段のお墓まで行って、写真のお墓休息所の右手の斜面をあがれば一発で城内に到達できる。車は自性院さんの参拝用の駐車場にとめられる。【お願い】住宅、墓地のすぐ裏手の山である。入山する場合は、お寺や近所の方に一声かけて許可を得てほしい。
考察
再び地形図を見てみよう。近隣に雨乞山城があるが、歴史等は不明の城である。一部では多気山の支城ではないかと囁かれているが、わからない。その雨乞山の山麓に、田中城がある。雨乞山の麓城と言われている。位置的に見ると、今回の乙城も雨乞山の麓城になりうる。ひょっとすると、南麓が田中城、北麓が乙城という役割分担があったのかもしれない。この3城の3角形で、この辺りを統治していたのだろうか？ ◆図は国土地理院地形図。